
「ナフサの供給が滞ると家が完成しないって本当」「お風呂やトイレも手に入らないの?」
住まい探し中の方から、このようなご不安の声をたくさんいただいています。結論からお伝えします。——これは事実です。2026年4月現在、日本の住宅業界は「ナフサショック」と呼ばれる前例のない供給危機に直面しており、実際にTOTO・LIXIL・パナソニックといった大手住宅設備メーカーがお風呂やトイレの受注を停止・制限していましたが、5月以降、各社は段階的に受注を再開しています。
スタイリッシュホームでは、取り扱い物件の物元(売主・施工会社)に直接電話で確認し、「引渡しが確実に可能な物件」をご紹介する体制を整えています。この記事では、現在何が起きているのか・なぜ住宅に影響があるのか・今後どうなるのかを、できるだけわかりやすくお伝えします。
そもそも「ナフサ」とは?なぜ「家づくり」が関係するの?
ナフサは、現代の家づくりを支える「見えない原料」
ナフサ(粗製ガソリン)とは、原油を精製する過程で得られる石油化学の基礎原料です。プラスチック・合成樹脂・塗料・接着剤・有機溶剤など、私たちの身の回りにある膨大な製品の「出発点」となっています。
住宅においてナフサ由来の素材が使われている主な箇所は次のとおりです。
- 断熱材(ポリスチレンフォーム・硬質ウレタンフォームなど)
- 水道・給排水配管(塩化ビニル管)
- 外壁塗料・屋根塗料・シンナー(希釈剤)
- ビニルクロス(内装壁紙)
- ユニットバス・システムバスの壁パネル接着剤・浴槽コーティング材
- サッシの樹脂部品、建具の接着剤 など
「木で建てる家だから関係ない」と思われがちですが、現代の住宅においてナフサ由来の素材を一切使わないことは不可能です。住宅1棟に使われる資材費の約6割はこうした材料が占めており、ナフサの供給が滞ると家づくり全体がストップしかねません。
なぜ、ナフサが不足しているのか
2026年2月末、米国・イスラエルによるイラン攻撃を契機に、ホルムズ海峡が事実上封鎖されました。この海峡は世界の原油輸送量の約2割が通過する要衝であり、日本の原油輸入の約94%を中東に依存(経済産業省、2025年実績)し、そのほぼ全量がホルムズ海峡を通過する構造上、ナフサの供給が急速に滞り始めました。
お風呂・トイレが「手に入らない」は本当?|メーカー別最新状況
| ※本記事は当社(スタイリッシュホーム)が不動産購入のご検討材料としてご提供する情報です。以下はすべて各メーカーの公式発表・公式サイトをもとにした情報です。 経済産業省は『ナフサそのものの枯渇ではなく、流通の目詰まりが原因』と説明しており、政府の介入により正常化が進んでいます。その結果、各社受注を段階的に再開しています。各メーカーの状況は今後も改善される可能性があります。最新情報は各メーカーの公式サイトおよび経済産業省の発表をご確認ください。 |
TOTO:4月20日より段階的に受注再開
2026年4月13日、TOTOはナフサ不足による原材料調達の困難を理由に、システムバス・ユニットバスの新規受注を一時見合わせ(トイレユニットについては出荷上限の設定)。原因は、壁・天井パネルの接着剤や浴槽コーティング材に不可欠な有機溶剤の供給が途絶えたことです。
但し、4月16日の日経報道によれば、同社は4月20日より段階的に受注再開。5月時点では人気モデル(サザナ・シンラ等)は4〜8週間の納期だが、多くのモデルは通常水準に近づいている。
LIXIL:4月21日頃より順次納期回答を再開
LIXILは2026年4月14日付で、システムバスルーム全シリーズについて「新規発注の納期未定・5月以降の供給量減少」を正式に発表しましたが、4月21日頃より順次納期回答を再開。5月で通常水準に近い状態へ
パナソニック:4月24日以降の注文分は5月中旬までに納期回答を開始
パナソニックハウジングソリューションズは2026年4月14日、トイレ「アラウーノ」を含むバス・トイレ関連商品全般について、同日以降の受注分の納期を「未定」とすると通知しましたが、4月24日以降の注文分は5月中旬までに納期回答を開始しているが、完全正常化は5月後半〜6月の見込み
クリナップ:4月22日に受注再開、正常化へ向かっている
当初は供給継続に努めると発表していたクリナップですが、いよいよ原材料の調達が困難となり4/14受注停止となりましたが、4月22日に受注再開しています。
タカラスタンダード:原材料の調達が不安定、長期化した場合は納期・数量・価格に影響
タカラスタンダードは壁パネルに「ホーロー」(ガラス質の釉薬を鋼板に焼き付けたもの)を採用しており、フィルム接着剤を使わない構造となっています。但し、給排水の接続部品や一部のパッキン類には樹脂(ナフサ由来)が使われているため、無影響ではないが他社よりは安定しており、今回のナフサ不足の影響を受けにくい。ただし、他メーカーからの乗り換え需要の集中により一部納期遅延が発生しているうえ、原材料の調達は不安定な状況であり、長期化した場合には納期・数量・価格に影響が発生する可能性があると4月13日に公表しています。
| メーカー | 状況 |
|---|---|
| TOTO | 4月20日より段階的に受注再開 |
| LIXIL | 4月21日頃より順次納期回答を再開 |
| パナソニック | 完全正常化は5月後半〜6月の見込み |
| クリナップ | 4月22日に受注再開 |
| タカラスタンダード | 受注継続(長期化した場合には納期・数量・価格に影響が発生) |
※本記事は随時更新しています。最終更新:2026年5月18日
メーカー状況は特に変化が速いため、最新情報は各メーカー公式サイトをご確認ください。
お風呂・トイレだけじゃない|建材全般への影響
断熱材:大手メーカーが40%値上げを発表
カネカは押出法ポリスチレンフォーム「カネライトフォーム」を2026年4月出荷分から約40%値上げ、デュポン・スタイロも「スタイロフォーム」を5月出荷分から約40%値上げすると発表しています。省エネ住宅(ZEH)で必須の断熱材が直撃を受けています。
塗料・シンナー:家づくりの「最終工程」が止まるリスク
シンナーはナフサ由来の成分がほぼ100%を占めており、今回の危機で最も直接的な影響を受けています。外壁塗装・屋根塗装・内装の仕上げに欠かせないこの素材が不足すると、「基礎や骨組みは完成しているのに引渡しができない」という最悪の事態につながりかねません。一部の問屋からは「今後の商品供給が不可能になる可能性がある」という通達も出始めています。
水道配管・壁紙:価格高騰と品薄が同時進行
塩化ビニル管(水道配管)やビニルクロス(内装壁紙)も原料不足により価格高騰と品薄が同時に進んでいます。信越化学工業は塩化ビニル樹脂(PVC)を1kgあたり30円以上(2026年4月1日納入分より)、積水化学工業は塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂を55円/kg以上値上げすると発表しており、水道配管や建材に使われる塩ビ関連素材全般でコスト増が進んでいます。
住宅価格全体:「数百万円単位の価格上昇を懸念」
断熱材のみで一般的な新築1棟あたり約50万円のコスト増が試算されており(プライシー社試算、2026年3月)、塗料・配管・壁紙など他の石油系建材の値上がりも重なることで、住宅価格全体への影響は数百万円規模に達する可能性があります。予算オーバーやグレードダウンを迫られる購入者が増加する恐れがあります。
スタイリッシュホームの見解|今後どうなるのか
現在:リフォーム済の物件を狙うのが「賢い選択」
リフォーム済みの物件であれば、すでに設備が設置・完成しているため、今回のナフサショックによる納期遅延の影響を物理的に受けません。
「これからリフォームする物件」や「これから建てる新築」は、今後数ヶ月でさらなる資材価格の高騰が販売価格に転嫁されるリスクがあります。つまり、今の在庫(リフォーム済み物件)は、ショック前の価格で仕入れ・施工された「もっともコストパフォーマンスの良い選択肢」と言えます。
豊富な在庫から選べる今のうちに検討を進めることは、非常に現実的なリスク回避となります。ただし、一部の未完成リフォーム物件(内装のみ完了し、トイレ交換待ちなど)も市場に混在し始めているため、当社ではそこも確認してからご案内します。
短期(〜2026年夏):値上げ・出荷制限が本格化する時期
建材値上げが本格化しています。ホルムズ海峡の封鎖は5月時点でも通航制約が継続中であるという点は正確なので残しつつ、「一方で米国産原油が代替調達として急増しており、住宅設備メーカーの受注は段階的に再開しています。ただし建材コストの高止まりは続く見通しです。
中期(2026年秋〜2027年):正常化への移行か、長期化か
代替調達ルートの確立が進むにつれ、供給状況は段階的に改善する可能性があります。一方、停戦後もイラン革命防衛隊(IRGC)によるホルムズ海峡の通行管理が継続されるとの報道もあり、「物理的封鎖」から「制度的通行管理」への移行が長引く場合は、コスト増が構造的に定着するリスクがあります。
長期的な視点:中古・リノベーション市場への注目度が高まる
新築コストの上昇により、中古住宅・リノベーション市場への需要シフトが加速する可能性があります。
また、ナフサに頼らない建材(木材・ホーロー・無機系素材)の見直しが業界全体で進むとみられます。
スタイリッシュホームの対応|「引渡し確実な物件」のみをご紹介
| スタイリッシュホームでは、取り扱い物件の売主・施工会社(物元)に確認し、以下の5点をチェックしたうえで物件をご紹介しています。 |
物元確認5つのチェックポイント
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| ① 建材・資材の確保状況 | 断熱材・配管・壁紙などの仕入れ済み在庫・発注状況 |
| ② 住宅設備の発注状況 | ユニットバス・トイレの受注・納期確定状況( |
| ③ 工期の見通し | 現在の進捗状況と引渡し予定日の根拠 |
| ④ 価格変更の有無 | 今後の追加費用・価格改定の可能性 |
| ⑤ 完成保証の有無 | 万が一の工期遅延・コスト超過時の対応方針 |
不明な点がある物件については、随時確認しながら情報を更新しています。上記を確認したうえで「引渡し確実」と判断した物件をご案内しています。
よくある質問(FAQ)
Q. ナフサショックで引渡しが遅れたらどうなるの?
A. 契約書に「引渡し遅延」に関する条項が含まれているか確認しましょう。一般的には一定期間の遅延は免責とされるケースがありますが、長期遅延の場合は違約金や契約解除が認められる場合があります。契約締結前に必ず担当者に確認してください。
Q. 今から新築を建てるのはリスクが高い?
A. 「注文住宅」と「建売住宅(完成済み・完成間近)」で状況が大きく異なります。完成済み・建材確保済みの建売住宅であれば影響は限定的です。一方、これから工事を始める注文住宅はコスト増のリスクがあります。まずはスタイリッシュホームにご相談ください。
Q. スタイリッシュホームの物件は大丈夫?
A. はい。当社では前述の「物元確認5つのチェックポイント」をすべて確認した物件のみをご紹介しています。ご不安な点がございましたら、担当スタッフまでお気軽にお問い合わせください。
まとめ|ナフサ不安がある今、「完成済み物件」を選ぼう
ナフサショックは、私たちの住まい探しに直接影響する問題です。お風呂やトイレが手に入らない、工期が読めない、価格が上がる——こうした不安が現実のものとなっています。だからこそ大切なのは、「どの物件を・どこから買うか」という選択です。
この記事のポイントを整理すると次のとおりです。
- 2026年4月中旬に主要4社が受注停止・制限を実施。その後TOTO・LIXIL・クリナップは5月までに受注を再開。パナソニックは5月後半〜6月の完全正常化を見込んでいる。
- 断熱材は大手メーカーが40%値上げ、塗料・シンナーも深刻な品不足
- シンナー不足により「骨組みはできても引渡しができない」ケースが現実になりつつある
- タカラスタンダードはホーロー素材のため比較的影響を受けにくいが、乗り換え受注が殺到した場合は納期遅れの可能性も
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不安な時期だからこそ、正確な情報と誠実な対応ができるパートナーを選ぶことが重要です。スタイリッシュホームでは、ご案内最新の物件状況を随時更新しながら、物元に直接確認した「引渡し確実な物件」をご案内しています。皆さまの住まい探しをサポートいたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
